アルバイトで出会った人達5

pajama_toriya2005-10-01

 今日も神保町にある吉本の本社で打ち合わせでげす。
トータルテンボスの漫才ライブ「愛くるしい」の稽古でありやす。
本番まであと10日ですねぇ。今回はどんなライブになるのでしょうねぇ。
そんな中、明後日は代々木にプロレスを観に行きやす。えへへ。
自らを「本来プロレスラーになるべき逸材」と言うアッハー小泉氏(26歳)と、プリンスオブプリンスで一緒の構成作家の大野と3人で行きやす。
アッハー小泉は筋金入りのホモセクシャルなので、プロレスを見る角度が違うのが残念だ。
写真はパソコンがぶっ壊れて悩むアッハー小泉である。


今回は以前書いた歌舞伎町の風俗の無料案内所という、善良な方々には全く縁の無いアルバイトで起きた話の続きです。
覚えて無い方は前の日記を読んで下さいませ。
初対面から「俺の事はボスと呼べ」
などと言う強烈な個性を持った人物が仕切っているお店なのです。

行動の全ては下半身で決定する一見甘いマスクの男、堀江B面をバイトに召喚したわたくしパジャマとりや。
わたくしが呼んだ後輩の為、初日はB面と一緒にシフトに入り、仕事を教える。
朝10時から夜の24時までの14時間である。
夕方まで来客は数えるほど。
開店準備を教え、店内を一通り説明し、掃除の順番も教えた。
接客も教え、あとはお客さんが来るのを待つだけである。
しかし、8時間近く閑古鳥が鳴く状態のため、あまりのヒマっぷりに音を上げるだろうと思いきや
B面は風俗店の看板に釘付けだった!
B面「この女は相当エロいですよ〜、とりやさん!」
パジャマ「そうなんや〜」
B面「とりやさん!とりやさん!このコ見てくださいよ!めっちゃエロそうですよ!」
パジャマ「うん。」
B面「見てくださいよ!このコとこのコ、多分仲悪いですよ!キャラ違い過ぎますもんね!」
パジャマ「へ〜」
わたくし、前の店も入れればこのアルバイト歴は3年以上になるのである。
目の前の恥ずかしい広告の数々にテンション上がるB面にはわからないだろうが、飽き飽きなのである。
なんと彼の下半身に異常な膨らみがあるじゃないか!
B・O・K・K・I、勃起しているのだ!
先輩のバイト先で!なんと頼もしい御子息を所有しているのだチミは!
午前中からリビドー満開、会話は「おしもの話」ばかりであった。
13時ごろ、二人してB・O・K・K・Iしていたが我に返った。
B面に大事な仕事を教える。
大事な仕事とは、「ボス指定の携帯番号へワン切りすること」である。
一回これを忘れたわたくしはボスにドヤされた事があった。
とにかく13時を回ってはいけないのだそうだ。
もう辞めていた元同期のN君が入りたての頃
「何の電話ですか?」
と聞いたらマジギレされたそうだ。
なのでわたくしパジャマとりやも誰に電話をかけているのか、
何の目的があるのかちんぷんかんぷんさっぱりピーマンであった。
理由を聞いて白目を剥いているB面に教えた。腑に落ちない様子だ。
当たり前である。こちらも腑には何も落としていないのだから。
無事にワン切り業務(?)を終え、ズルズルと時間をトークして過ごす。
そうこうしている内にオーナーのボスが来た!
パジャマ「お疲れ様です」
ボス「お疲れ!」
パジャマ「ボス、後輩の堀江です。」
ボス「そうか、俺の事はボスと呼べ。よろしくな?」
堀江「ハイ。よろしくお願いします。」
律儀な対応である。いきなりボスと呼べなどと言われたらニヤついてしまうと思いきやである。
さすが上半身はキレ者である。一瞬にしてボスタイプの人間に対応している。
正解は「答えだけを簡潔に」なのだ。
強烈過ぎる個性を持つボスは、自分の事を知っているのか、初対面の人間にはとても優しい。
わたくしの初日にあったようにキレる事(6/30の日記を見てね)は無く、ボスは仕事で外に出て行った。。
24時を回った。14時間の勤務を終えた。慣れたわたくしは平気だが、B面は流石に疲れたようだった。
パジャマ「帰ろう!」
B面「はい」
B面は東村山という、さいはての村に住んでいるため、そろそろ終電なのである。
そしてわたくしも当時は東急大井町線の等々力という辺境の地に住んでいた。
乗り換えが2回ある。終電が迫っているのだ。急ごうじゃないか!
いつものように慌てて着替え始める。
よし、ゴミも捨てたし、チケットも補充したし、電気を消して帰ろう。
そうだ、閉める鍵は2つで・・・などとゴニョゴニョっていたら
店内に入ってくる足音が聞こえた。
パジャマ「すいませ〜ん!もう終わりなんですけど〜」
顔を上げたらそこには鬼の形相をしたボスがいた!
ボス「テメェ!!仕事っていうのはな!24時で終わりじゃねぇんだよっ!!!!客を帰らせるって何だよ?おぉ?次やったらお前の指を引きちぎるぞコノヤロー!!」
あんまりである。
びっくりしているB面。
やばい。どう答える?頭の中がドラクエのコマンド選択画面になるわたくし。
とにかくまず謝ろう。そして事情を伝えよう!
パジャマ「すいません。今電気消そうとしたので・・・」
言い終わる前にボスが早口でカブせてきた!
ボス「このやろう今言い訳したな?(近づいて)何だ本当に指を引きちぎって欲しいのかおい手出せ!!」
や、やっちまった!「事情を説明」はボスから見たら「言い訳」だった!
怒りの炎に油を注してしまった!!バイキルトを敵にかけてしまったようなもんだ!ぎゃあ。
こちらにできるのは謝る事だけである。ええい、ままよ!
パジャマ「すいませんでした。次回は気をつけます。」
ボス「・・・わかればいいんだけどよ」
怒りが収まった!
テレレレテッテッテー
頭の中でドラクエのレベルアップ音が聞こえた。確かに聞いた。


ボス「ここで終わりですってお客を帰したら、そのお客は二度とウチに来なくなるぞ?そうしたら店がゴニョゴニョ・・・・・・でよ、あそこの店に○○っていう女がいるだろ?」
いけない!ボスの、ほとんどオチが下ネタかダジャレの強制トークの火蓋が切って落とされた!
この攻撃は下の者は大変である。
当パジャマパーティーを読んでくれている方にも1度は経験があるのではないでしょうか?
目上の者が、面白くない事を「どうだ?面白いだろ??ん?」と言わんばかりの態度で話してくるのだ!
そしてもちろんそれに気付かないばかりか、レパートリーが少ないために、同じ話がループされているのだ!
更に!更にわたくしパジャマとりやが言いたかったのはボス、僕らの職業は「お笑い」なのですよ!
女の人の話でカクカク腰振って「こりゃあおもしれー」と思う芸人がどこにおりますでしょうか!
芸人に「笑え!」なんてあんまりだっ!!
「ダジャレで心の底から笑う」なんて無理だっつーの!だっつーの!
すまないB面、俺のミスでボスのトークライブが始まるとは!
顔を見るとB面は
なんとゲラゲラ笑っていた!
天才だ!
プロだ!
アナーキーだ!
すげい!すげぇい!
これだ!これこそプロだ!
何というキレ者ぶりを発揮してくれるというのか!!
B面のおかげでボスは機嫌を持ち直し、ニッコリ笑顔である。
時刻は1時を回っていた。
終電なんぞとっくに過ぎちらかしている。
ボス「よ〜し!話はこのくらいでいいだろっ」
その切り出しを待っていたのは何より僕らです!
帰ろう!いや、終電は無いが、とにかくこの場を離れたかった。
二人とも愛想笑いに疲れて変なテンションになっているのだ。

「笑い話」なら聞いたことはあるが、

「笑わなければならない話」が

「ランダムに繰り返される」

というのはわたくし史上本邦初公開の上、言語道断であった。正に地獄!
地獄の1時間を過ごしたわたくしとB面の間に、深い友情が芽生えた瞬間である。
B面と「やっと帰れるんだ」と無言の会話が出来た!
ガンダムで言うところのニュータイプへの覚醒かと思えたほどだ。
知らない人ごめんなさいませ。

ボスがロッカーに行く。

いつもロッカーにジャケットを置いているのだ。


早く、早く着替えてくれ!


心の叫びである。


ロッカーが閉まる。うひょう!


ボスの左手には自分のカバン。ヴィトンのバッグだ。



右手にはギター。レスポールとかいうやつだ。

>ギター!?


ゴト。
椅子に座ったボスは、アンプをつなぎ、ギターを抱えて
ボス「よし、弾いてやるから聞いてろ。お前ら何が聞きたい?
我々が解放されたのは4時を回っていた。リアルジャイアンである。
ボスの話はまだあるのでまた書きますよぅ。

御殿場「恵比寿」

pajama_toriya2005-09-22

只今お昼の12時であります。
トータルテンボス漫才ライブ「愛くるしい」の打ち合わせが連日続いているため、体内時計がぐちゃのアレになっているので、昨日夜に目が覚めてから起きております。
18日(日)と19日(月)の2日間かけて「愛くるしい」のV撮りに行って来た。
行き先はトータルテンボスの地元、御殿場である。
御殿場は通産10回以上来ているだろう。ここはアウトレットで有名なのだが、わたくしパジャマとりやとは縁が無いようで一回も行った事が無いのです。
行った事が無いので想像が膨らむばかりである。
パジャマも売ってるのか気になるところだ。


V撮りと言っても、テンボスが御殿場で仕事だったので、それにかこつけて藤田が「1珍道中を開催したい」なる旨をサル顔のリーダー(大村朋宏♂30歳)に申請。
見事「行くか!」の一言を得たので行くというただの1泊旅行である。
御殿場に向かったメンバーはテンボスの二人、秘密を守るため禁煙中のアッハー小泉カリカ家城さんの腹心と言っても良いのではないかオコチャ、そしてわたくしパジャマとりやである。
18日、夕方に八王子駅集合。
藤田のチャラい車、まるでヤンキーの人が乗るような見た目のBMWで御殿場へ向かう。
左ハンドル。運転席には、サングラスをかけたアフロの大男。変態である。
助手席には、口から異臭を放つ眼光鋭いえりあしおばけ。変態である。
後部座席左には、車酔いで長時間無言でしかめっ面し、会話には入らず眠りこけるドSのサル。変態である。
後部座席真ん中には、本場を彷彿させる「ゲイ感」満点の服装、あだ名を自ら「ブービー」と呼ぶが一向に浸透しない金髪の劇団員。変態である。
後部座席右側には、目がブっ飛んだ音程の無い世界に棲む孤高のピン芸人。変態である。
ロケは19日。
VTRの内容は本番で見ていただくとして、
今回は東京へ帰る前に、大村の叔父さんが経営する御殿場の居酒屋「恵比寿」で飲んだ時の話である。




その日の仕事を終え、疲れた我々変態5人が帰ろうかという頃、大村が本当に小さな声でボソっと「恵比寿行くから付き合ってくれ」と言った。
大村を10秒に1回はチェックしているわたくしでしか聞き取れなかった。
何故10秒に1回注意しているかというと、大村に出会って8年間で受けてきたイタズラ数知れず。自然と身に付いた護衛術である。いつかまた紹介させていただこう。
何故みんなに大きな声で言わぬのか!
しかし、聞いてしまったわたくしは、本来の気を遣う性格上、皆に伝えたので結果彼は正解だったのか。むぅ。踊らされている。
向かったのは御殿場なのに恵比寿という名前のお店。
わたくしパジャマとりや、以前も来た事があったのでテンションが上がる。最低でも5回目は来ているだろう。
ここは飯が大変ウマいのだ。(ついでに言うと御殿場は水もおいしい。東京とは比べられない。と、地元の人は言う。そして、そういう場合、反論すると大抵キレられるので諸君は注意しよう。昔、「そうでもないんちゃう?」と答えたら藤田と藤田ママがキレて説教を喰らったことがあります。藤田本人にはこの話を言わないようにしてくださいませ。)
大村の叔父さんがいた。

叔父さん「おう。久しぶりだら」
「だら」は御殿場弁である。
パジャマ「お久しぶりです」
叔父さん「何か食いたい物があったら言えよなっ」
パジャマ「ありがとうございます。ところで僕の事覚えてます?」
叔父さん「じゃあ後でな」
オエップである!!
覚えてなかったコンチクショウ!!
叔父さんはあの大村家の血を引いているのだ。油断ならない人物だ。どこか松山千春に似ているところがあった。
彼のタオルという薄い布1枚下はダイレクトで頭皮があるからだろうか?
つまり彼はゲーのハーである。
もう一度言おう。ゲーのハーである。
さあ一緒に!ゲーのハー!!
大村は同級生との話に夢中だ。相当好きなのだろうな(男の体が)。
藤田とわたくしは、オコチャと一緒になって、しこたま辛い食べ物を作り、気付かないアッハー小泉がそれを食したのちオーバーリアクションをするというミニコントを繰り返していた。
最初は刺身のワサビをモツ煮込みに入れてかき混ぜ、わざとらしくあらぬ方向を見ていたアッハー小泉に藤田が渡す。
藤田「アッハー、腹減ってるだろ?」
アッハー「はい。」
藤田「これ食えよ。モツ煮込みだ」
アッハー「はい。いただきます」
一口食べたアッハー。
アッハー「ゲぇぇぇっほgンFB£t▽b背gjb!ph」
一同「ぎゃははははは!!」
アッハー「ちょっと水!水!」
店員さんに水をお願いし、涙ながらに辛さを語るアッハー小泉
藤田とわたくしは、あまりの辛い顔に好奇心を刺激された。
パジャマ「藤田、どれぐらい辛いのかなあ?」
藤田「一口食ってみる?」
パジャマ「あ、ああ!」
恐る恐るワサビ入りモツ煮込みを一気に我が口腔へいざなう!!
パジャマ「・・・・・・・・あれ?」
藤田「どうした?」
もう一口食べるわたくし。
パジャマ「・・・藤田、これ、辛くないぞ」
藤田「え?」
慌ててモツ煮込みを一口食べる藤田。
わたくしと目が合う。そう、アッハー小泉に言いたい事はたったの一つしかない!!
藤田・パジャマ「う、嘘!!」
こちらを悪徳業者の様な眼で睨むアッハー小泉
パジャマ「顔!顔!顔!顔!」
一同「ぎゃははははは!!」
こんな感じで何回も繰り返し「小泉の嘘を見破るミニコント」をしていた。
最後は店員さんにお願いして、御椀のお茶漬けに人間のう○こ程度の質量のワサビを投入。
全員でむせるという生産性の無い結末であった。
真似しても損しかしませんのであしからず。
大村はこういう時、なかなか入って来ない。今回も入って来なかった。
ふと見ると大村の割り箸が短い。

ライターと同じ長さなのである!
以前ご紹介させていただいたので、読まれた方はもうおわかりだろう。
そう、彼の前世はカモノハシなのである。
しかも噛んだ箸片を適当にプップップップと飛ばしているじゃないか。
最低だ!しかもここは貴様の叔父さんの店なのだぞ!!
慌てて注意したわたくしに彼は
大村「何言ってるんだ?」
と言う。まるで当たり前だと言わんばかりである。
その自然な言い方に一瞬自分が間違っているかのような気持ちになってしまった。
わたくしが政治家になったら割り箸を噛むのは罰金制にしようと心に固く誓った。
これは2膳目の箸を噛み散らかしているところである。


そろそろ我々も東京に戻らねばならない。
叔父さんにお礼を言わなければ。
毎回ご馳走になっているのだから。
それに顔と名前を覚えてもらおう!
そして何より、お宅の甥っ子さんがあろうことか割り箸を噛み散らかす変なクセを発揮している上、
その箸片をところかまわずプップップップと飛ばしている残虐ファイトをチクってやろう!
ウッヒッヒッヒ!!
奥のカウンターに父村さんや母村さんと一緒に飲んでいる叔父さん、いや叔父村を発見。
速やかに近づこうと顔を上げたその視界の先に見えたのは・・・



頭のタオルを取り散らかし、
カモノハシと化する叔父村の姿であった!

噛んでいる!噛んでいるのだ割り箸を!!
血は争えないのか!!
何ゆえ噛むのだ!

しかも甥っ子大村と同じく皿に溜めているじゃないか!!
それは風習か何かなのか?ならば許す!!
それに何の用途があるというのだ!!何に使うんだ!!
目的は何だ!
誰か教えてくれないか!!
そんな遺伝あるのか!!
御殿場の皆様!
お箸は噛むモノではありません!!



叔父村さん、また食べに行ったらよろしくです。

深夜の出来事

pajama_toriya2005-09-14

 本多劇場でのイベント「Presen10」が終わった。
なんて言ってももう10日も経ってしまったじゃないか!
数少ない待っててくれている方々、ごめんなさいです。
わたくしパジャマとりや、9月3日のPresen10本番では
「V出し」と呼ばれるVTRをきっかけ通りに出す仕事をした。
誰でも出来る仕事なのだが、
わたくしメカには滅法な弱さを持ち合わせているので、
V出しするときは大変緊張するのです。
今回もノーミスで終えれましたぜ!うひょう!


VTRの制作は、トータルテンボスの単独ライブで映像を担当してくれているメカに詳しいナイスガイそしてガンダム好きの石田さんにお願いした。
ナイスガイかつガンダム大好き石田さんの家は、西武新宿線上井草駅近くにある。

石田さんは自宅が仕事場なのだ。
下井草に住んでいるわたくしとしては大変行きやすい。
下井草駅井荻駅上井草駅なのだ。
オロナミンCのCMバトルでもトータルテンボスのCMを作っていただいているので、
座付き作家のわたくしは幾度となく上井草駅に降り立つのだ。
ガンダム好き」と書いたが、何を隠そうこのわたくしパジャマとりやもガンダム好きである。
1stとZガンダムが好きなのだが、これを読んでいるアナタ、まだ知らないなら是非見よう!
騙されたと思って必ず見よう!
アニメなのに設定が大人向けである事にビビっていただこうじゃないか!


そして驚くことなかれ!ガンダムを作った会社「サンライズ」が上井草にあるのだ!
ガンダム好きには当たり前らしいのだが、数年に渡る貧乏生活の賜物であろう。
わたくしは全く知らなかったのだ!ゲェの出る事実におののいた!
何気に通っていた駅前の道が実は聖なる道だったのだ!
終電も無くなった深夜3時ごろの出来事である。
テンション上がってあちらこちらを徘徊する
大きな荷物を持った
襟足の長い男

上井草駅近隣の建物を写メを撮っていた。
完全に怪しいわたくし。駅前には交番があるのだ。
ここ1年近くは髪型の異形感から職務質問されるからあやしい行動はやめておこう。
写メを撮りたい気持ちを抑え、しこたま歩くつもりで上井草の駅前通りを歩く。
交番に差し掛かったころ、女性の声が聞こえてきた。
キーキーキャーキャー言っている。
ん?
揉め事か??
好奇心の塊になってしまったわたくしパジャマとりやは、観察することにした。
見れば、肩までぐらいの髪、ピンクのシャツに白いパンツ、年齢は26〜28歳ぐらいの女性が交番にもたれかかって立っていた。
携帯電話に向かってぶーすか言っている。口調からしてかなり酔っ払っている。電話の相手は彼氏か。
その5メートル横に、困り顔の小太りおっさん。タクシーの運転手らしい。
ピンクの女「アタシが何で上井草に来なきゃならないのよ!だってね、恵比寿から乗った時に井荻駅って言ったのにコイツが勝手に上井草まで来たの〜!!酔っ払ってるからってなめてるんだよ〜!」
相当大きな声で話わめき散らかしている。
交番には誰もいない。
タクシーのおっさんは困った顔で立ち尽くすばかり。
ピンクの女はキーキーと電話で自分の正当性をアピールしている。
わたくしパジャマとりやは駅前のベンチに座り、携帯電話を開き誰かを待つ仕草を始める。
自然。あまりにも自然!
わたくしは華麗に野次馬に変身した。
事の成り行きを見届けようじゃないか。
誰もいない交番に、パトカーが戻ってきた。
中から警察官が3人出てきた。
警察官「どうしたの?」
ピンクの女「どうしたのじゃないでしょ!!アタシが恵比寿からタクシー乗って井荻駅までって言ったのにこのオヤジが何故か上井草まで来たんじゃないの!!」
タクシーのおっさん「井荻に行きましたよわたしは。そしたら・・・」
ピンクの女「じゃあここはどこの駅?1コ横の上井草じゃないの!!酔っ払いだからってなめんじゃないよ!」
警察官「まあまあまあ、一人ずつ話を聞くから落ち着いて。ね?」
ピンクの女「一人ずつって、アタシは被害者なのよ!わかります??アタシは井荻に行きたかったのに上井草に来てるんだから悪いのはこのオヤジでしょ?人権問題だよ!酔っ払いに人権は無いのかしら!!!」
一体どこで人権を侵害されたのだろう?
酔いすぎて呂律が回らない上、同じ事しか言わない。
まとめるとこのピンクの女性、恵比寿からタクシーに乗り、
井荻まで帰るつもりだったのが泥酔して眠ってしまい、
タクシーのおっさんが井荻で起こしたら
「ここじゃない。あっちの駅」
と言い、上井草まで行って女性を起こしたら
「ここはドコ!!」
と怒りだしたそうだ。
ピンクの女は井荻駅で起こされた事を聞いた瞬間
「全く起こされていないわよ!井荻駅って言ったでしょ!!ここ上井草じゃない!全く起こさずによくも・・・。」
と言い出し、怒りのボルテージをMAXへ導いた。


警察官の鋭い目がタクシーのおっさんに向けられる。
警察官「嘘ついてない?」
タクシーのおっさん「嘘じゃないよ。起こしたんだから」
警察官「あ、そう。起こしたのね?」
タクシーのおっさんが狼狽している。
この狼狽はどっちの気持ちなのだろう?
もしかしたらこの一見善人そうな顔面のタクシーのおっさんが、
客が泥酔しているのをいいことに、行き先を聞き間違えたフリして上井草まで来たのだろうか?
それがバレるかもしれないと思っての狼狽か?
はたまた本当に「ここじゃない。あっちの駅」と言われてここまで来たのに
警察官に疑われてドキドキしての狼狽なのか?
本人達の言い分が真っ二つに分かれているため、真相は明かしようがないだろう。
ピンクの女は鬼の首を取ったようにわめき散らかす。
タクシーのおっさんは困り果てるばかり。
ピンクの女「別に差額の金が惜しいんじゃないのよ!!アタシはお金はあるんだからねっ!!大体アタシが行きたかったのは井荻駅なの!!!どうなってるのよ!ここは隣の上井草じゃない!!恵比寿から・・・・・・」
女の話は先程からループしている。
回遊魚か!
メリーゴーランドか!
藤田憲右か!
埒が明かない。


警察官「どっちにしてもね、水掛け論になっちゃうからさ、どうしようもないよ。これは。」
埒を明かした警察官。
そう言われピンクの女は辺りをうろつき始めた。
わたくしパジャマとりやの目の前にも来た。
どうやらタクシーを探しているらしい。帰るつもりだ。
30分はモメただろうか。ここは上井草駅
歩いて下井草のパジャマハウスに帰るには井荻駅を通る。

乱闘などのモメ事も起きず、事態は収束の方向。
得るモノも無く、時間の無駄感たるや山の如しである。
そろそろ潮時であろう。
わたくしパジャマとりや、立ち上がる。
同時にピンクの女もタクシーを捕まえた。


タクシーの扉が開く


乗り込むピンクの女


ピンクの女「下井草まで


一同「

井荻駅じゃない!井荻駅じゃないのだ!どういう事だ!
警察官3人、タクシーのおっさん、そしてわたくしパジャマとりや。
合わせて5人の心は一つになった。
嗚呼!嗚呼なんだろうこの気持ち。
してやられた!1本取られた!
何故この展開で下井草に行くのだピンクの女!
あれほど井荻駅と言ってたじゃないか!
気になるじゃないか!どうしてくれるんだ!
ハケ際にボケてくるとは!
大声でつっこめば良かっただろうか。
キー!!





最後に告知でげす。
今週の土曜日にあるのですが、わたくし作家をやらせてもらっておりますイベントでげす。


9月17日(土)
プリンス・オブ・プリンス
出演・前田ししょう・オコチャ・アッハー小泉大西ライオン・若月
ゲストあり
場所 渋谷シアターD
開場 23:30
開演 24:00(オールナイトでげす)
前売 1200円
当日 1500円
チケットぴあ Pコード363−652


気が向いたら是非来てくださいませ。




それと梅田の菖蒲園には行かない方向になっております。
よろしくどうぞです。

単独ライブ

pajama_toriya2005-08-24

 またもやパジャマパーティーの更新が遅れております。
写真はテンパるわたくしです。食事中の方、ごめんなさい。
パジャマとりや、ここのところガチでありがたいことに忙しくなっておるのです。
と言っても飯は食えていないのでドラクエで言うと武器が「ひのきのぼう」から「どうのつるぎ」になったぐらいですけど。
この先の残り貧乏時間を想像しただけでゲェが出る有様でございます。
芸人の時は「毎日仕事したいなあ」と思い続けていたので、楽しくて仕方がなかったりしております。
お笑いの舞台で一番アツいのが単独ライブです。
長い時間かけて、打ち合わせや稽古をして、本番に臨むアレです。
幕が閉まった時に目頭がアツくなるアレです。
そんなアレを
今ね、やってるのでげすよ。
ラフ・コントロール単独ライブ「えちくらい」ってやつです。
8月26日(金)です。
場所は新宿シアターモリエールです。
騙されたと思って足を運んでみましょう。うひひ。
最近あった出来事は次にでも書きます。
では26日にお会いしましょう。

報告とか告知とかです

pajama_toriya2005-08-17

長野ツアーが終わりました。
1泊2日ってあっと言う間ですたねぇ。
写真は肝試しをした林を下見しに来たときのモノです。
写っているのはポロロッカ豊泉です。いでたちはすっかりおっさんのそれ。
少し狭かったですけど映画のブレアウィッチプロジェクトのようなロケーションでしたねぇ。 
知らないところを暗い夜に歩くというのは怖いですねぇ。
カレー対決の体たらくぶりには驚きました。
ポロロッカ佐野は少食なんですね。いでたちはすっかりおっさんのそれ。



今日はトータルテンボストークライブ「菖蒲苑」の日でございます。
前回の罰ゲームで大村がお父さんと前説することが決まったんですけど、本当にするんですかねぇ?
大村は何故か秘密主義らしく、こっちが聞くまで言わない人なので聞いてみます。


18日(木)に永井祐一郎のひかり荘があります。
アッハー小泉とわたくしパジャマとりやがお手伝いで出演します。
御覧になっていただいて、ゲェを吐いても責任は持ちません。


19日(金)は曲者ですね〜。
物販係のわたくしはてんてこ舞いすることうけあいです。
この日はアッハー小泉が劇団フォービーズの公演「サトルコンバット」本番とカブっているのでいないのです。
SBPFのライブを見れないなんて、アッハーにとっては相当辛いんだろうなあ。
Tシャツとタオルとステッカー、アッハーの分取っておいてあげようかな。
土曜日あたりに見に行くので台詞をかまないように。


9月3日は下北沢本多劇場で「presen10」(プレゼント)というライブがあります。
わたくし作家で入っておりますので、皆様是非是非御覧頂けたら有難いです。
出演は
(敬称略)
はりけ〜んず
次長課長
ダイノジ
山本吉貴
ニブンノゴ!
佐久間一行
タカアンドトシ
トータルテンボス
POISON GIRL BAND
となっております。
詳細はどっかで調べておくんなまし。


ではそろそろ眠るのであります。
今日はただの告知でした。

明日は長野ツアー

 今日はサマーソニック行ってきました。
仕事で行ったので、歌の人は誰一人見ておりません。ぶえー。
わたくし、心の中の「音楽の引き出し」がかなり少ない為、出ている人達のスゲー度が理解できないという有様。
音楽好きの人達が集う幕張メッセでなんという浮きっぷりを発揮するのか。
わたくしパジャマとりや、下手に後ろ髪が長い為、一見「音楽やってるの人」なのです。
ちょっと音楽知ってるぶって練り歩いてやりましたぜ。えへ。


明日はトータルテンボスの長野ツアーに帯同いたします。
どんなツアーになるのやら。楽しみだねぇ。


唐突ですが


藤田の家の圧力鍋のフタです。



か、顔!

歯抜けのおっさん

pajama_toriya2005-08-07

 トータルテンボスのとある仕事でタイに行ってきたのですよぅ。
わたくしパジャマとりや、実は海外に行くのは3回目であります。
ホームレス寸前の生活に四苦八苦している割に、海外経験があるとは予想外だったであろう。
高校1年生の時、サッカー部の遠征で韓国へ行った。
サッカーで韓国?
「この人サッカー上手いんだろうな」
と思いますよね?
普通は県の選抜とか、強豪校が招待されて行くのだが、わたくしの高校が行った理由は他でもない
「韓国に行きたいから行く」
というただ金を出しただけのモノであった。


高校2年の修学旅行では台湾に行った事がある。
あれから12年。
初の東南アジアである。
うっひょう。
何て楽しみなのだろう。
血湧き肉踊る気持ちで迎えた8月2日の夕方。
成田空港発ノースウエスト航空タイ行きの便に乗り込む。
タイへ行ったのは4人。
トータルテンボスの二人、アッハー小泉、そしてわたくしパジャマとりやである。
パスポートをチェックされ、
「荷物をX線か何かで透視して危険物をチェックされる黒いカーテンのあれ」に荷物を流し、
ボディチェックをされ、にわかに緊張し、搭乗を待つ。
18時頃からしこたま待つ。
とにかく待つ。
大変ヒマである。
何故飛行機に乗るのはここまで待たせるのか。
日本円をタイの通過バーツに両替し、友達へ「タイ行ってくるぜメール」も打ち終え、あとは乗り込むだけなのに、ひたすら待つという待ち地獄を味わう。
もう眠ろう。
警戒心の強さからかなかなか眠らないわたくしパジャマとりやがウトウトし始めた時、あるおっさんが話しかけてきた。
歳は45歳ぐらいか。
紺のスラックスにヨレヨレの青いワイシャツを着たおっさんがこちらに微笑んでいるじゃないか。
おっさん「長いね。いや〜長いね。早くすればいいのに(微笑)」
つぶらな瞳を細くして、日に焼けたおっさんは隣に座りだした。
パジャマ「そうですね。」
とりあえず返事をした。が、わたくしは眠ろうとしていたのです。
見ず知らずの人間が眠そうにしているのに話しかける非常識さに、このおっさんの異端ぶりを感じたわたくしは、少し相手をすることにした。
何か面白そうな事があるかもしれないからである。
おっさんもタイへ行くらしい。同じ便だと知るとまた微笑んだ。
上の前歯が2本しか無い!
歯抜けのおっさん「タイはね、もう40回以上行っているからさ、飽きちゃったんだ〜」
パジャマ「そうなんですか、お仕事ですか?」
歯抜けのおっさん「ん・・・・・・。あんちゃん達は初めてか?」
パジャマ「タイは初めてです。しかも誰も英語を話せないんですよ。大丈夫ですかね?」
歯抜けのおっさん「ん・・・・・・。俺はエコノミークラスしか乗ってないんだ。値段が安いからなヘッへッへ(笑)」
コイツは駄目だ!会話が成立しねぇ!!
こちらの質問は全て馬耳東風だ!
こりゃあ我慢できねぇ。比較的心の広いわたくしも自然にフェイドアウトしなければ!
どうしよう。
藤田は危険を感じてすっかり遠くの席でヘッドホンをつけて雑誌を読み、なおかつサングラスをして「おっさんお断りキャンペーン開催中」の様相を呈している。
こういう時の藤田はしたたかだ。



大村は寝ている。おっさんを振っても無視するだけだろう。
それはそれでかわいそうだし、歯抜けのおっさんが逆上したら面倒臭い事になるやもしれぬ。
パジャマ「アッハー、このお父さんタイに詳しいんだって」
アッハー「マジすか」
パジャマ「こっち来なよ」
アッハー「はい」
こうして難を逃れたわたくしは心の平和を取り戻した。
アッハーはかれこれ1時間は捕まっていた。


19時30分を回ったあたり。アナウンスが流れ、乗客が一斉に並びだす。
ようやく飛行機に乗り込むのだ!
クネクネ歩き、飛行機の中へ。
大きな荷物と共に狭い通路を歩き、座席に着く。
完全にうきうきである。
歯抜けのおっさんとの不毛な長き戦いを終えて、目から「死んだ魚感」が取れきっていないアッハー小泉もテンションが上がってきたみたいだ。
アッハー「飛行機だ!ひこうき〜!」
藤田「た、たのしい!!」
パジャマ「テンション上がるってこれは!こりゃ楽しいっ」
大村「ZZZZ」
早い!あまりにも早い眠りに驚愕した。
これから魅惑のタイランドに飛び立とうと言うこのタイミングでの眠り。
すごい早さだ。のび太級の睡眠欲である。


約6時間に渡る空の旅。
座席は窓側ではなく、真ん中の4列ほど連なった席だった。
窓AB通路CDEF通路GH窓
となっている


C席には知らない小太りのサラリーマン氏



D席にはわたくしパジャマとりや



E席には藤田



F席には大村



通路を隔てて


G席にアッハー小泉




窓側のH席には、歯抜けのおっさん!!



ゲェ〜!!


途中、アッハー小泉の、明らかに嘘の笑い声で目が覚めた事は覚えている。