アルバイトで出会った人達2

pajama_toriya2005-06-17

 今日は永井佑一郎の単独ライブ「December Night」の打ち合わせ。
神保町にある吉本興業本社の会議室に15時集合。メンバーは永井と、わたくしパジャマとりや、アッハー小泉の3人だったのだが、3人だけでは何かと寂しいのでもう一人増やす事になった。
人(にん)を買われて作家2年目のプレスリー岡島が入る事になった。
アッハー小泉とわたくしパジャマとりやが推薦したのだが、彼には懸案事項が1つあるのだ。
再三どころか再千ぐらい堀江B面とわたくしが「とにかく続きを読みたいんだ!書け!!」催促していたもう2ヶ月ほったらかしにしている彼のブログの件である。
知らない方はわたくしのアンテナに「プレスリー岡島の限りなく自由帳に近い日記」が入っています。
ヒマな方は見て下さいませ。その内容と、突然の中断ぶりにゲェが出ますから。



今回も歌舞伎町でのバイトの話です。
わたくしがバイトし始めた当時、風俗の無料案内所はウチぐらいのもので、正に殿様商売だったのです。
大半が酔っ払ったサラリーマンで、お客さんが割引券を持ってこっちに聞いてくるんです。
普通なら、「右に出て2本目の道を右に曲がって下さい。コンビニがあるのでその正面のビルの4階です。」
などと言うのですが、殿様商売ルールが適用されたウチの店は違いました。
お客さんに聞かれた同じバイトのS君という楽しくていい奴です。
サラリーマン「この店どこ?」
風俗店の場所を聞かれたS君。おもむろに右を指差し
S君「あっちの方。」
言い終わるや否やゲームボーイを始めるS君。


言うに事欠いて「あっちの方」とは!
なんて漠然とした説明なのか!
しかもタメ口どころか上から話しているじゃないか!
バイトに入りたてのわたくしは度肝を抜かれた!
そんな対応ありなのか?
怒られるのではないか?大丈夫なのか?つばを飲むわたくし。サラリーマンの出方を窺った。
サラリーマン「あ、そうですか」
つ、通用しているじゃないか!!
おつむの具合は大丈夫なのかサラリーマン氏!そのまま店を出て行った。
何だこの店は!道ぐらい丁寧に説明するべきだ!!
こんな接客で時給1100円??まったく驚き桃の木キリンのキであるっ!!
ムームーしていたわたくしパジャマとりや。
不意に後ろからおっさんに声をかけられた。
振り返るとおっさんが割引券を持っているじゃないか。
おっさん「あの、この店はどこに・・・?」
パジャマとりや、初対面の人には敬語で接するように教育を受けてきた。
しかし、郷に入れば郷に従えである。
緊張しながらも、左を指差し言ってみた。
その緊張は麻雀で言うと、まるで親の割れ目に追っかけリーチをされている気持ちに似ているだろう。
パジャマ「・・・・・・あっちの方。」
ドキドキするじゃないか。
おっさん「あっちか。」
行った!
と、通し!!
すげーなこのバイト!



ヒマ過ぎて逆に仕事をしたくなるくらいだった。
しかし、世の中ウマイ話はすぐに無くなってしまうものである。
1年もしない内に、似た様な店がバンバカと乱立した。
そうなってくるとサービスの良い店が勝つのだ。コンビニと同じシステムだなこりゃあ。
つまり、バイトの接客も厳しくなる。と言っても普通以下の接客ではあったのだけれども。
追い討ちをかけるように、警察が動き出した。
別に悪い事をしているワケじゃないのだけれど、風俗の割引券を置く事がある日突然NGになった。
無料案内所は比較的新しい商売なので、ルールが曖昧なのだ。
警察の人もこのいかがわしい商売をどうしたらいいか困ったのだろう。
広告収入で成り立っていたので、その大半を占める性風俗のチラシを置けなくなり、
店の売り上げが激減。
バイトをのさばらせておくような会社なので、こういう時の対応もお粗末なのだ。
予想通りというか、収入が減ったのでとりあえずアルバイトを突然クビにするという措置が取られた。か、簡単!
新宿店だけバイトを残し、渋谷と池袋にいたバイト君達が犠牲になった。
わたくしパジャマとりやもその中に入っていたのだ。
ある日アルバイトに行ったら、シャッターが閉まっている。
中に入るとオチの無いおっぱいの話を何回もしてくる変態店長が大変凹んでいるじゃないか。
えらい人からわたくし宛に電話が入る。
えらい人「悪いね。警察がダメって言うからさ、とりや君さ、仕事無いんだわ」
パジャマ「マジっすか」
えらい人「うん。もう来てもしょうがないから、終わりで良いよ」
わたくしパジャマとりや、「終わりで良いよ」という言葉に引っ掛かりを覚えた。
お店としては謝る気などサラサラ無い上に、何の補償もしないつもりでいるのを感じた。
この人の威張りぶりは目に余るモノがあったのだ。
もう帰った早番のバイトのミスを、遅番全員に怒鳴り散らした事もある不思議人間である。
また、尊敬すべきキ○ガイ先輩である南郷さんにも数々強く当たるという不埒な振る舞いを、後輩のわたくしは腹に据えかねていたので、こちらをクビにすると言うのなら1ギャフン言わせておかなければならないだろう。
何でギャフらせるかと言うと、突然の解雇に補償を求めるのだ。
ここのえらい人は正直頭が少しアレなので、そんな事を言われるとは夢にも思って無いだろうし。
パジャマとりやの「中の人」が出た。
以下はそのやりとりでございます。


パジャマ(哀しそうに)「って事はですよ、もうクビなんですか?」
えらい人(えらそうに)「そうなるね〜」
パジャマ(懇願する感じで)「何とかならないですかね〜?新宿に入るとか?」
えらい人(表面的には優しく)「無理だよ〜。辞めるしか無いよ〜。」
パジャマ(はっきりと)「じゃあ僕達は『解雇』されたという事ですね?」
えらい人(あせって)「解雇とは言って無いよ。」
パジャマ(疑問)「え?でもクビなんですよね?」
えらい人(普通に)「ま、そうだよ」
パジャマ(にこやかに)「じゃあ解雇じゃないですか〜」
えらい人(少し強く)「解雇じゃないよ。マジで。」
パジャマ「クビと解雇は同じ意味ですよ?」
えらい人(怒鳴って)「何が言いたいんだよ!」
パジャマ「お金ですよ」
えらい人(面倒臭そうに)「はぁ?」
パジャマ(にこやかに)「だから、普通解雇するなら1ヶ月前に通告するじゃないですか。」
えらい人(怒って)「ウチも警察から突然言われたんだからしょうがねぇだろが」
パジャマ「そうですよ。だから解雇なら1ヶ月分の給料をちゃんと下さいね。」
えらい人「はぁ?何言ってんだよオメー?」
パジャマ「それと、今月入る筈だったシフト分は別に下さい。あ、あと有給休暇も計算して払って下さいね。」
えらい人「そんなもんアルバイトにあるワケ無いだろが」
出た!この台詞が出たら勝ちだ。
パジャマ「あれ?知らないんですか?嫌だなぁ、労働基準法知りません?」
えらい人「・・・・」
パジャマ「一部の労働者を除く全ての労働者に適用されるんですけど、誰かに確認取ってみて下さいよ。あ、それと雇用保険にも加入しておいて下さい。失業保険もらいたいですから。」
えらい人「・・・・また電話する」
電話は切られた。


かくして月初めにクビになったものの、月末に振り込まれた金額は40万円近くあり、失業保険もその後3ヶ月に渡って支給されたのであります。
なんか後半は真面目な話になっちまったねぇ。
またバイトの話します。