アルバイトで出会った人達3

pajama_toriya2005-06-30

 トータルテンボスのオロナミンCのCMバトルの制作でてんてこ舞いしておりやした。
2回戦はVS千鳥ですねぇ。勝てれば良いですねぇ。みんな投票しましょうねぇ。


 バイト天国を失ったわたくしは、新しいアルバイトを探しておりました。
4ヶ月程経ったある日。一緒にクビになったバイトのN君から電話が。
N君「あのさ〜、バイトしない?」
パジャマ「何の?」
N君「前と同じ感じのとこ。しかも毎日飯オゴってもらえるし、シフトも俺らでまわしてるからええよ〜。社長が少しクセのあるタイプだけど、とりや君なら大丈夫だと思うし。どうする??」
パジャマ「やるやる!やりまつ!いやっほい!」
バイト天国の再来である。これに飛びつかない御仁がいたら紹介していただきたい。
明日にでも面接に来てほしいらしく、わたくしは意気揚々と歌舞伎町に向かったのです。



前の店は風俗の無料案内所の先駆けのような店だったが、今度の店はそれを真似した二番煎じで、仕事内容はほぼ同じ。
こりゃあ楽勝間違いなしである。
駅からも近い。うひょひょひょひょう!
店長らしき人物に声をかける
パジャマ「あの、すいません、アルバイトのN君に紹介されて来ましたトリヤと申します。」
店長「おう。俺の事はボスと呼べ。
パジャマ「はい」
やってしまった。
何が少しクセのあるタイプだ!
こりゃクセの塊、いや、クセの結晶じゃないかっ!!
坊主頭に日焼けした肌、ギラついた眼光、ゴールドのアクセサリー、お洒落な皮のスーツ。
見た目はサッカーブラジル代表ロベルト・カルロスに似ている。
ボス「俺はな、俺の所に来た奴は俺の若い衆だと思っているんだ。」
いきなり持論の展開が始まった。まだ会って10分も経っていないというのに!
「若い衆」って何だ?
パジャマ「あの、若い衆って何ですか?」
ボス「若い衆は若い衆だろ?わかるだろうが!」
わからないから聞いているのだ。わかったら天才である。
とりあえず「はい」と言うしかなかった。
かくして、ただのバイト君として来たわたくしパジャマとりやは「若い衆」としてアルバイトをする事になった。
朝10時からのシフトは一人制だった。
初日はN君とボスが、新人のわたくしの為に入ってくれた。
ボスが一通りの開店までの流れを説明してくれる。
流れと言っても、看板を出し電気と有線を点け、床を掃いて、濡らしたモップでトイレを掃除する。


割引券を置いている店の説明を受けている途中で、ボスがトイレに行く。
出てきたボスは、顔が真っ赤であった。怒り心頭であった。
ボス「おいN!」
N君「はい。」
ボス「トイレの床を濡らすんじゃねぇ!
仰天の理論展開である!
濡らして掃除しろと言ったのは自分なのに!
ボス「テメーが濡らすから滑ったじゃねぇかよ!!」
し、知らねぇ!!知る由もねぇ!
N君「すいません」
何故謝るのか!
ボス「わかればいいんだよ」
超笑顔じゃないか!
N君は対処法を知っていた!
何だこの世界観!!わたくしパジャマとりやも、このボスワールドの住人になるのか?
この「ボス」の驚異の行動は、まだまだ序の口であった。


アルバイトに入ってしばらく経ち、仕事も覚えた頃の事である。時刻は18時ぐらいだっただろうか。
風俗の案内所は以前も書いたが、基本的にはそんなに忙しくない。
仕事に慣れたわたくしは横長のカウンターの中でボスと二人っきり。
接客はわたくしのようなアルバイト、いや、若い衆?に任せ、ボスは競馬新聞とにらめっこをしているのが毎日のパターンだった。
ボスは地方競馬の馬券を買うので、曜日に関係無く毎日勝負する。
競馬新聞を読むボス。カウンターの中でしゃがみ、携帯電話でオッズを確認。
真剣な眼差しで予想する。
ボス「・・・今回の騎手は、田中か。・・・どっちだ。う〜ん。」
集中するあまり、ぶつぶつと独り言を言い始めた。
ボスとの距離は2メートル。
気迫が伝わってくる。
ボス「・・・13番がタイム的には早いんだ。・・・でも7番は押さえなきゃいけない」
ボスの顔面は競馬新聞についてしまう程近づいているじゃないか。
ここで、思わぬ角度から質問が飛んできた!



ボス「おいトリヤ、どう思う?」
し、知らねぇ!!!!!
知る由もねぇ!!!!!




パジャマ「あの、何がですか?」


ボス「テメーコノヤロー!!7番か13番かに決まってるだろうがっ!!!


待ってくれ!あいや待ってくれないかボスボスボス!
まずその新聞が遠くて見えねぇ!
選ぶも何もアータそりゃ無茶ってなモンですぜ??
なのに「決まってるだろうが!!!」とはこれ如何に???
世界最高水準の自己中である!
2メートル横の人間が、自分が読んでいる新聞を把握しているのが「当たり前」らしい。
ゲェどころか吐くモノが見つからない!どうするんだパジャマ!!
しかし、ボスは何故か激昂している!
新聞が見えない事実や、そもそも人の競馬に興味が無い真実など説いても無駄無駄無駄無駄ウリィである!!
ええいままよ!わたくしは口から出任せを言うしかない!
パジャマ「ここは13番でしょう、ボス」
完全に適当ブッこいた発言に怒られるのでは?
ボス「よし13番だ!」と、通るのかその言葉!!
その思考回路のバグりっぷり。もはや乾杯モノであるっ!



勝ち馬投票券に書き込んだボスは、それをわたくしに渡し、こう言った。
ボス「よし。買って来てくれ。ほら行け。締め切りまであと3分無いんだ!」
パジャマ「あの、どこで買うのか知らないんですけど?」
ボス「テメーそれぐらい知っとけコノヤロー!!
えええええ!!1回も教えてないじゃないか!
凄い奴がいたモノである!
ここではわたくしの常識は通用しないのだ!
これは決してミニコントでは無いのだ!
彼は生きたコントなのだ!


ある時などは、わたくしパジャマとりやがボスの後ろを通った時。


ボス「俺の後ろを取るんじゃねぇ!
ゴルゴ13か!!




ボスの話はもうちょっと続くかもです。


※写真はわたくしのアルバイトとは関係無いところです。