アルバイトで出会った人達4

pajama_toriya2005-07-08

 トータルテンボストークライブ「菖蒲園」が終わった。
お母さんと前説をするという、史上最大の緊張をしてしまった。
お母さん、そしてあたたかく見守ってくれたお客さん、ありがとうございました。
写真は髪型に「しばり」を効かされているわたくしの今回の頭です。


 歌舞伎町、風俗の無料案内所でのアルバイト。
店長の個性の強さは関東屈指。
初対面から自分を「ボス」と呼ばせる豪快なセンスを持つ店長に、振り回されたバイト生活は大変濃いモノになった。
こんなに性格の偏った人材は滅多にいない!!
出会えた事に感謝はしていた。
まるでマンガから出てきたようなキャラクターであるのだ。
ある時、ヤングマガジンを読んでいたボスは、「莫逆家族」(ばくぎゃくファミーリアって読むはずです。)という連載されている漫画を読み、
ボス「とりや!ヤベェぞ!!」
パジャマ「はい!何があったのですか?」
ボス「この漫画を見ろ」
パジャマ「はい。」



ボス「この漫画、俺の事をモデルにしやがった!クソッ!!」




驚天動地である!
何かの冗談か?
ボスの目は真剣そのものであった。
はぁ〜何故?何故その考えに至れるのだっ!!
アンタが漫画寄りなだけだぁ!!とは言えなかった。
今なら言える!
それは無いっ!!
自意識超過剰だっ!



プライバシーを守る為仮名になるが、わたくしを誘った同期のN君や、N君に誘われた先輩の南G伯爵もわたくしと入れ替わる様に辞めていった。
つまりわたくしパジャマとりやはボスに捧げられた生贄だったのである。
飯は毎日オゴってもらえるのだ。
それも「とんかつのにいむら」「焼肉」を!
1日に1万円はバイト君に使っている!
普段からファーストフード漬けになっているわたくし達貧乏若手芸人にとっては天の助け。
こちらがカンダタなら蜘蛛の糸である!
要はこの上ない有り難い話であるのだ。
それを、この条件を、貧乏の最右翼「若手芸人」が手放すのである。
どれだけキツいか御理解頂けただろうか。
わたくしパジャマとりや、こういうタイプの人は得意分野らしい。
すっかりボスの懐に入り込み、どうやら信頼できるアルバイト君になったらしい。
気がつけばバイト歴3ヶ月で「古株」になっていた。驚きである。
たった3ヶ月である。わたくしが「できる男」というワケではないのだ。
3ヶ月在籍しているだけの人間が他にいないのである。
何たるサイクルの速さなのか。
以前に在籍していた元サラリーマン氏は2日で「もう耐えられません」と置き手紙をして飛んでしまったらしい。
そんなある日、隣にいるボスがいつになく静かに、そして遠くを見ていた。
ここは店の中である。
いくら「遠く」を見ても目の前3メートルには壁がある。
そんな事はおかまいなし。思いつめた表情のボス



ボス「とりや」



パジャマ「はい」




ボス「・・・お前、俺の右腕になれ!」




わたくしの心の声はこうだ。
「断る!!」
だから会ってからまだ3ヶ月ですよボス!!!
3ヶ月でわたくしの何がわかったというのか!!事実ボスが見ている「とりや」はボス用の「とりや」なのであります。
ボス34歳。今まで何を培って来たのか!!
どれだけ寂しい人間関係なのか!!
どうやったら出会って3ヶ月の人間にそこまで言えるのだろうか???
この発言で「寂しい人なんだなぁ」と理解した。
なので、わたくしは「飛ぶ」のは絶対にやめようと思ったのであります。
人としての「優しさ」を見せてみました。えへ。


しかし、他に類を見ない個性の強さ故、8時間以上ボスと接触することは精神の衛生面から確実に回避したい。
そう思ったわたくしパジャマとりやは、このアルバイトに後輩芸人を入れる事を思いついたっ!
ゲヒヒヒである。
わたくしがそうだったように、甘い言葉で誘えばフラフラ来るに違いない!
つながりのある後輩に電話して、甘い言葉で誘う。
しかし、突然「おいしいバイトがある」と言われて「はいそうですか」と行くワケが無い。
みんなアルバイトをやっている人ばかりだからである。
そりゃそうだよなぁ。
裏があると思われてもしょうがないなぁ。
なんせ風俗関係なのである。ただでさえ怪しい。
しか〜し!!
その甘い言葉で、つられた男がいた!
しめしめ、こいつは何も考えちゃあいない!
なんと「風俗」と聞いてホイホイついてきたのだ!
当時、芸人としてルミネtheよしもとに出演していた「サンダース」のつっこみ


構成作家

堀江B面である。


彼の話は次回紹介しますよん。