オアシス

pajama_toriya2005-07-25

 前回の日記から随分と時間が経ってしまった。
かなりの体たらくに愕然としているところであります。


SBPH第二回が終わりました。写真は終わってから撮ったやつです。
群馬行ったり、面白かったです。
SBPFの新曲「とっかえっこ」みんな買いました〜?
じ〜んと来る歌詞ですよねぇ。



 7月13日、梅田花月トータルテンボストークライブ「菖蒲苑」がありました。
作家としてわたくしも帯同することになり、超貧乏作家は新幹線の往復チケットを手に入れたのでございます。
14日以降が2日ほど空けられそうだったので、1年半ぶりに実家に帰れるのです。
気になるのは、結婚している4歳下の弟(26歳)の子供達に初めて会う事であります。
甥っ子(もうすぐ3歳だっけ?)と姪っ子(1歳未満だっけ?)である。
トークライブ翌日、わたくしだけJR大阪駅で降りず、そのまま京都方面へ。
京都駅に到着。
1年半ぶりだが、近鉄京都駅の改札がキレイに改装されていて時間の流れを感じる。
前回帰った時のその前は2年以上帰ってなかった気がする。
実家の近くの駅に着き、高校生の頃毎日通った道を歩く。
かつてのお気に入りの洋風お好み焼き屋「ノルド」が縮小して移転していたり
おはぎの丹波屋がすっかり無くなっていたり、近くの川が塞がれて歩道になっていた事を発見。
昔は認めたくなかったのに、改めて自分の地元がれっきとした田舎だという事を認識した。
歩いて15分、久々に我が生家の前に立つ。
待っていてくれているであろう両親に早く顔を見せなければ。
カギを持っていないわたくしはインターホンを押す。
ピンポーン、ピンポーン〜。
誰が出てくるのだろう。
8歳下の弟だろうか。
母か?
父だろうか?



びっくりした。



誰もいねぇ!



カギが掛かっているのだ。
母にあれほど電話で「昼に帰る」と念を押して言っておいたのに、家に誰もいないとは摩訶不思議だ。
久々に実家に帰って来た息子は、炎天下の中ひたすら待ち続けた。
母に電話する。
パジャマ「もしもし?帰ってきたけど扉開かへんねんけど?」
母「あとちょっとで戻るわ」
パジャマ「うい」
これで安心だ。


は!


ここで一抹の不安が甦る。
一般的に「あとちょっとで戻る」と言われれば、それは時間にして15分以内の事を指すだろう。
パジャマの母の「ちょっと」は「ちょっと」ではないのだ。
「a little」の「ちょっと」ではないのだ。
母にとってはただ意味の無い接続詞として使用されるのだ。
この言葉に、かつての若かりしパジャマとりやは数々騙されてきた。


昼飯にチャーハンを作った母が
母「ちょっと塩を入れ過ぎたかな」
と言った。
「ふ〜ん」と思いつつチャーハンを食った家族の誰もがあまりの塩味に白目を剥いた事がある。
あれはソルト飯とでも名付けるべき闇料理であった。


高校生の頃、あれは梅雨の季節。
洗濯したてのカッターシャツをわたくしに渡しながら
母「ちょっと生乾きかな?」
と母は言った。
満員電車に乗り込み、50分かけて登校する。
いつもぎゅうぎゅうのすし詰め状態の電車である。
案の定、わたくしの周囲だけ人が寄りつかないのだ。
カッターシャツから、えもいわれぬ汚泥臭が発生しているのだった!
気がついた瞬間と同時に我が鼻腔に襲いかかってくるあの生乾きの匂い。
心の中で母を呪った。一体何が「ちょっと」なのか。



あれから12年経ち、久々に帰って来た息子に対し、
伝家の宝刀「ちょっと」を発動したのである。
わたくしが恐れおののくのは当たり前であるとおわかりいただけただろうか。




母「おかえり」
後ろから声がしたのは約1時間後であった。
暑さと懐かしさで、母を糾弾する気持ちがさっぱり芽生えなかった。
久々の実家である。


扉を開けて居間に入る。
ニャ〜。
猫が擦り寄って来るじゃないか。

猫は2匹。ポテとサラ。これはサラだ。
う〜ん。なごむじゃないか。


夕方になって下の弟が帰って来た。
この8歳下の弟は、全国高校サッカー選手権大会京都府予選を勝ち抜き、決勝では2ゴールするという輝かしい経歴を持つサッカー小僧だ。
この時はスポーツ報知に「久御山高校の11番、部谷の兄はお笑い芸能人」と書かれ大変恥ずかしい思いをした。
今ここで言っておく。「芸能人」では無い、「芸人」である!
あの時わたくしにとってスポーツ報知はスポーツ報恥であった。へ、下手!パジャマ完全に下手!!
そんな弟Yは現在地元で少年にサッカーを指導しているナイスガイだ。
しかし!
しばらく見ない内にブーデーになっていた。
彼女を呼んで飯の事しか話さなくなっている!
兄の不在中に何があったのだ弟よ!
心配をよそに、彼は言った。
弟Y「東京のお土産無いの?腹減った!」



近くに住んでいる4歳年下の弟Kの家に行った。
すっかり父の顔をしていたこの弟Kもなんとブーデーになっていた!!
ウチの家計はブーデー様の血を引いていたのか!
29年目にしての発見である。
久しぶりの再会に弟の第一声
弟K「腹減ったな。お土産は?」


初めて会う甥っ子と姪っ子。
人見知りで初対面の人が抱くと大泣きする姪っ子を抱いた。

な、泣かない!
わたくしパジャマとりや、その昔は保父さんになる事も考えていたのだよフッフフフー。
子供の抱き方などお茶の子さいさいである。
甥っ子が子供の頃の弟Kにそっくりで不思議な気持ちになった。
かわいいもんだ。



この日は泥の様に眠った。



翌日、自分が通っていた小学校の近くの田んぼを一人散歩していたわたくしは、母からの電話で家に戻った。
久しぶりに家族水入らずの団欒である。なんだか気恥ずかしさも覚える。


今夜はすき焼きである。
ジュ〜。
鉄板に脂身を転がして、よき所で牛肉を放り込み、塩と砂糖とみりん(みりんだっけ?)を入れる
パジャマ宅では、まずは肉だけのすき焼きをする。
絶妙の味付けなのだ。
それを溶き卵に絡ませて、食べる。
熱いごはんとのハーモニー。
懐かしい味だ。
子供の頃から食べてきた味は、舌が覚えていた。



「やっぱり家族ってええなぁ。」本音が心の中で出る。100パーセントの関西弁だ。
父とビールを酌み交わし、ひとときの休息だ。
父は相変わらず酒が入ると饒舌になる。テレビに文句を言ったりもする。
父の母に対するオチ無しトークを的確な一言でぶった切る母。
が、話を止めない父。


その姿を見ながら思う。
もう何日かここに居たいなあ。
ここはどんなところよりも癒しの空間なのだから。


こうやって家族水いらずで過ごすのも、またしばらくおあずけだろうな。
父の話も今日はいつもの3倍増になっている。
長男が帰って来たからテンションが上がったのだろうな。
こんなに喋る父は初めて見るくらいだ。
話す量を数字にしたら、3の話に1返すと5返って来るとお考えくださいませ。
そして返って来た5の内3は最初と同じ3の話である。
やはり聞き役がいると父も気分が良いのだろう。
聞き役?
ウチにそんな熱心な聞き役が・・・


!!!

アッハー小泉(26歳)


何故来た!?何故来た?

先輩が羽を休めに来ているのだよ!!!!
ここはわたくし唯一の心のオアシスなのだよ!!
「お邪魔します」じゃない!そっくり返す!「お邪魔です」!!
肉を食うんじゃないっ!
それは思い出の味なのだ!!!
父とミニコントをするんじゃない!
本気に受け取ったらどうするんだっ!
何故わたくしよりチヤホヤされているのだっ!!!!
帰れ!帰りたまえ!!
そして誰よりも早く座椅子で寝るのではない!!
まだ22時にもなっていなかったじゃないか!!
起こしたら



アッハー「疲れているんです。2日も寝てないんですよ?」


知らんっ!知らん知らんっ!!

ここはわたくしの聖域だっ!
ならば来るな!!!!
な〜ら〜ば〜来〜る〜な〜!!!!
おかげで頭から仕事の事が離れなかったじゃないかっ!
さらに夜更かししていると


アッハー「とりやさん、明日とっかえっこのPV撮影ですからいいかげんに寝た方がいいですよマジで」


お、怒られた・・・。




こうしてSBPHで流された「アッハー小泉によるSBPF新曲『とっかえっこ』汚泥PV」が撮られたのである。
誰も頼んでいないのに京都まで自腹を切って新幹線に乗り、
呼んでもいないのにわたくしパジャマとりやの実家に泊まるという間違ったやる気。
この夏アッハー小泉は燃えているらしい。




久々に書いたら長くなっちゃいました。
ここまで読んでくれてありがとうです。


最後にここで告知でげす。
9月の17日(土)です。
この日に渋谷のシアターD
「プリンス オブ プリンス」
というのをやれることになりました。
第二回です。
主役は3人の王子です。
前田ししょうアッハー小泉・オコチャ
です。
24:00開演です。
オールナイトです。
わたくしは作家でついております。
18歳以上の方になります。
チケットはまだ発売しておりません。
決まり次第またお伝えいたします。
では。