カッコイイ男

pajama_toriya2005-04-12

 日記の更新が一週間も空いてしまった。
わたくしパジャマとりや、勿論売れっ子では無い!売れっ子どころかアルバイト先も潰れ、明日も見えないその日暮らし!!

「時間があるにもかかわらず、一体どういう事だ!」
とおっしゃる御仁もいらっしゃるだろう。
全てはわたくしのボーダフォンのせいです。
突然インターネットができなくなり、ボーダフォンショップに行くと
「新しい携帯には不具合が生じておりまして…」
などと説明を受け、とにかく直してもらったのだが、今度はアクセスできるページと出来ないページが出てくるという憂き目に遭ってしまいまい、何も知らないわたくしパジャマとりやは、
「これでSBPFでツアー中もブログ事に油を売れるぜ!」
などと張り切っていたのですが、電波の弱くなった携帯のおかげでメールもろくに打てず、わたくしの油屋は開店休業状態にされてしまったのです!!
まるでバブル崩壊後のパジャマ屋じゃないか!ムキー!

そんなワケで行って参りました。SBPF(ソーセージバタフライパスタフェスタ)の「少年バタフライレコ発ワンマンツアー名古屋・大阪」です。
知らない方は騙されたと思ってCDを買ってみましょう。
とても芸人がやってるバンドとは思えないのではないかと思います。ガチで。
騙された場合は8日以内にお買い上げの店舗にて返品するなり何なりしましょう。

朝早くに新宿のレンタカー屋に集合、SBPFメンバー4人と、わたくしパジャマとりやが車に乗り込み、名古屋を目指す。
運転は宗ちゃんがした。途中もみ兄が代わった。
ちなみに仕事として手伝いをしている作家のわたくしパジャマとりや、
演者ではないのに何故運転しないのか?
先輩に運転させるとは何事だ!
今年30歳を迎えるというのにそんな常識も知らないのかよく考えたまえ!!
全くその通りである。
全くその通り!!
しかし、免許が無い!!汚泥!汚泥!汚泥まみれ!!
完全に役立たずと化したわたくしパジャマとりやは
「絶対に寝ないで起きていよう!!」
と心に誓い、助手席でナビを務める決意をした。
しかし、視線の先には現代の科学の粋を極めたカーナビがあるっ!!負けないぞ!

4時間程経っただろうか。
「着いたぞ!」
宗ちゃんの声で目が覚めた根性無しとはわたくしパジャマとりや。
窓の外には名古屋の街並み。
睡眠バッチリ。テンションが上がる。
先ずは飯だ!腹が減った我々は、みそかつ屋に入った。
みそとんかつ定食1050円也を頼み、食べた。
わたくしパジャマとりや、怒級の貧乏街道をひた走りに走っている。
1050円の飯を食べたはいいが、この後はジュースを買うのも一苦労だ。
店員さんに皆お金を払っている。
そこにぶっきらぼうな声が割って入る。
もみ兄「二人分」
店員「2100円になります」
は、はぁ!!
後輩におごるのはこの世界では常ではあるが、もみ兄のぶっきらぼうな声の裏側にはわたくしパジャマとりやの経済状況を知っての温かい先輩の気持ちが乗っているのである!!
それがひしひしと伝わってきた!
パジャマ「ごちそうさまでした!」
もみ兄「お前はな、頑張らなあかん。」
パジャマ「はい」
わたくしパジャマとりや、続く言葉に仰天する。
もみ兄「パジや、今回のツアーでお前には1円も使わさへんからな!!」
パジャマ「は!はぁ!」
なんてカッコイイんだもみもみもみ兄!
ツアーは先程始まったばかりなのですぞ!
今は名古屋のお昼時、このあと夕食はもちろんの事、ホテルでジュースも買えばタバーコも買い散らかします。
夜食だって食べる気満々なのですよ!
そして明日は大阪です。
車での道中、飲み食いに結構お金がかかってしまうのは間違いないのです!
それを百も承知で一切合切出すという言葉の裏にある気持ちと言ったら言葉にできない!そっくりそのまま小田和正だ!小田小田和正だ!!
しかし、それはもみ兄がわたくしパジャマとりやを
「かわいい後輩」
だと思ってくれていたから出た言葉。
額面通りに受け取るのはわたくしの母に言わせれば
「アの付くホ」
である。
「それぐらいの事をできるよ、それぐらいお前にはしてやるよ」
というもみ兄流のアツい表現なのだ!
感動屋でもあるわたくしパジャマとりやは、その言葉を胸にこの2日間の仕事を精一杯こなす決意をした。
そうだ!先輩の気持ちに対しては気持ちで応えようじゃないか!

こんなわたくしに目をかけてくださるなんてそれだけで嬉しいのですよ。

だから、ここはお断りします。

ちょっと目頭がアツくなっちゃいました。


パジャマ「じゃあ、よろしくお願いします!!」

何を言っている!!
アの付くホ!!バの付くカ!!ハの付くゲ!!

何と欲望に弱いのだろう!!
日本でも有数の空気読めない君の台頭だ!!
今並べ立てたわたくしパジャマとりやの熱い気持ちとは裏腹に、口が、口の野郎が勝手に滑っていたのだ!
これは完全に周りのメンバーが白目を剥いているじゃないか!
もうわたくしパジャマとりやの信用は地に堕ちってしまった。
もみ兄「よし、これはホンマやからな!!」
は!もみ兄が本気の目をしている!!
やるつもりだ!!
吐いたツバは飲まないつもりだ!!
どうしよう。こうなったら途中下車は許されない。途中で断ればそれは先輩の言葉を踏みにじる事となり、失礼にあたるだろう。
かくしてわたくしパジャマとりやの1円も使わない生活が始まった。
名古屋のライブハウス。楽屋でうっかりジュースを買おうものなら、
もみ兄「おい貴様!!」
パジャマ「何ですか」
もみ兄「何財布出しとんねん。ほれ」
手には小銭がわんさかと握られていた!
は、はぁ!!
ライブ後、SBPFが飲みに行った時、タクシーに乗った。
宗ちゃん「じゃ、ひとり560円かな」
財布を出そうとしたわたくしパジャマとりやの手に、もみ兄の手が伸びる!!
もみ兄「パジや、財布はカバンの奥にしまっておけ!!」
は、はぁ!!
もみ兄「宗田もここはええよ。」
は、はぁ!!
そして、タクシー代1680円を2000円で支払うもみ兄
わたくしはここで
このギターの兄貴から、かっこつける事を教わった
もみ兄「お釣りはいいです」
ゲ、ゲエェェー!!
ななななんてカッコイイんだ今今今!!
できないできないできやしない!!
そしてサラリとタクシーを降り、飄々と店に入って行くじゃないか!!
何たる事!!それは漫画の世界の話ではなかったか!!
わたくしパジャマとりや、店に入ってしばらくしても我慢できず聞いてしまった!
パジャマ「あの、いつもタクシーでは釣りはいらないとか言うんですか?」
もみ兄「え?何の事?」
お、覚えていない!!
もはやオシャレだ!!このギターの人はオシャレだ!!
次の日の大阪でも、わたくしパジャマとりやが財布に手をつける事は無かった!!
ライブ中、もみ兄に何かあったらこの身を呈して守ろう。
この写真は決意の表れた顔である。


アッハー小泉が根性で運転する帰りの車の中では、メンバーが爆睡。
そのころわたくしパジャマとりやの胸中に去来した気持ちは
パジャマ(かっこいい。スゲー。絶対いつか後輩に同じ事をやろう)
…かっこいい。作家として、いつかスゲー仕事をして、稼いだお金でもっとやってやろう!!
かっこいい。どうしたら追いつけるんだ??わたくしにはまだまだ見えない。
今の自分に何ができる?
……
何も無い。
せめて、東京に着くまで起きていよう。
眠る事など到底できやしない。
これが今の自分にできる事だ。


5時間後、深遠の眠りから覚めたわたくしパジャマとりやは、帰り道の都合で車から藤田と一緒に先に降ろしてもらう。
ここで、この2日間の感謝の気持ちを、かっこいい男樅野太紀に伝えなければ!!
パジャマ「もみ兄!!有難う御座いました!!」
もみ兄「とんでもない」
出たー!!この期に及んで「とんでもない」とは!!!
2日間の飲み食いはおろかタバーコや雑誌まで面倒を見て、お礼をしたところお礼など「とんでもない」のである!!
もうわたくしパジャマとりやが立つところはどこにも見当たらない!!
どうしたらいいんだ!

かっこいい!

かっこいい!!

かっこいい!!!

ギャース!!!!

バタン
車のドアが閉まりかけた時、もちろんわたくしの視線は、もはや益荒男樅野太紀その人に釘付けである。
なんて最後までかっこいいんだろうこの人は!
その益荒男が言う
もみ兄「2日間もオゴったったんやから、この話お前のブログに書いておけよ。かっこいいからな」
み、水の泡!!