アルバイトで出会った人達5

pajama_toriya2005-10-01

 今日も神保町にある吉本の本社で打ち合わせでげす。
トータルテンボスの漫才ライブ「愛くるしい」の稽古でありやす。
本番まであと10日ですねぇ。今回はどんなライブになるのでしょうねぇ。
そんな中、明後日は代々木にプロレスを観に行きやす。えへへ。
自らを「本来プロレスラーになるべき逸材」と言うアッハー小泉氏(26歳)と、プリンスオブプリンスで一緒の構成作家の大野と3人で行きやす。
アッハー小泉は筋金入りのホモセクシャルなので、プロレスを見る角度が違うのが残念だ。
写真はパソコンがぶっ壊れて悩むアッハー小泉である。


今回は以前書いた歌舞伎町の風俗の無料案内所という、善良な方々には全く縁の無いアルバイトで起きた話の続きです。
覚えて無い方は前の日記を読んで下さいませ。
初対面から「俺の事はボスと呼べ」
などと言う強烈な個性を持った人物が仕切っているお店なのです。

行動の全ては下半身で決定する一見甘いマスクの男、堀江B面をバイトに召喚したわたくしパジャマとりや。
わたくしが呼んだ後輩の為、初日はB面と一緒にシフトに入り、仕事を教える。
朝10時から夜の24時までの14時間である。
夕方まで来客は数えるほど。
開店準備を教え、店内を一通り説明し、掃除の順番も教えた。
接客も教え、あとはお客さんが来るのを待つだけである。
しかし、8時間近く閑古鳥が鳴く状態のため、あまりのヒマっぷりに音を上げるだろうと思いきや
B面は風俗店の看板に釘付けだった!
B面「この女は相当エロいですよ〜、とりやさん!」
パジャマ「そうなんや〜」
B面「とりやさん!とりやさん!このコ見てくださいよ!めっちゃエロそうですよ!」
パジャマ「うん。」
B面「見てくださいよ!このコとこのコ、多分仲悪いですよ!キャラ違い過ぎますもんね!」
パジャマ「へ〜」
わたくし、前の店も入れればこのアルバイト歴は3年以上になるのである。
目の前の恥ずかしい広告の数々にテンション上がるB面にはわからないだろうが、飽き飽きなのである。
なんと彼の下半身に異常な膨らみがあるじゃないか!
B・O・K・K・I、勃起しているのだ!
先輩のバイト先で!なんと頼もしい御子息を所有しているのだチミは!
午前中からリビドー満開、会話は「おしもの話」ばかりであった。
13時ごろ、二人してB・O・K・K・Iしていたが我に返った。
B面に大事な仕事を教える。
大事な仕事とは、「ボス指定の携帯番号へワン切りすること」である。
一回これを忘れたわたくしはボスにドヤされた事があった。
とにかく13時を回ってはいけないのだそうだ。
もう辞めていた元同期のN君が入りたての頃
「何の電話ですか?」
と聞いたらマジギレされたそうだ。
なのでわたくしパジャマとりやも誰に電話をかけているのか、
何の目的があるのかちんぷんかんぷんさっぱりピーマンであった。
理由を聞いて白目を剥いているB面に教えた。腑に落ちない様子だ。
当たり前である。こちらも腑には何も落としていないのだから。
無事にワン切り業務(?)を終え、ズルズルと時間をトークして過ごす。
そうこうしている内にオーナーのボスが来た!
パジャマ「お疲れ様です」
ボス「お疲れ!」
パジャマ「ボス、後輩の堀江です。」
ボス「そうか、俺の事はボスと呼べ。よろしくな?」
堀江「ハイ。よろしくお願いします。」
律儀な対応である。いきなりボスと呼べなどと言われたらニヤついてしまうと思いきやである。
さすが上半身はキレ者である。一瞬にしてボスタイプの人間に対応している。
正解は「答えだけを簡潔に」なのだ。
強烈過ぎる個性を持つボスは、自分の事を知っているのか、初対面の人間にはとても優しい。
わたくしの初日にあったようにキレる事(6/30の日記を見てね)は無く、ボスは仕事で外に出て行った。。
24時を回った。14時間の勤務を終えた。慣れたわたくしは平気だが、B面は流石に疲れたようだった。
パジャマ「帰ろう!」
B面「はい」
B面は東村山という、さいはての村に住んでいるため、そろそろ終電なのである。
そしてわたくしも当時は東急大井町線の等々力という辺境の地に住んでいた。
乗り換えが2回ある。終電が迫っているのだ。急ごうじゃないか!
いつものように慌てて着替え始める。
よし、ゴミも捨てたし、チケットも補充したし、電気を消して帰ろう。
そうだ、閉める鍵は2つで・・・などとゴニョゴニョっていたら
店内に入ってくる足音が聞こえた。
パジャマ「すいませ〜ん!もう終わりなんですけど〜」
顔を上げたらそこには鬼の形相をしたボスがいた!
ボス「テメェ!!仕事っていうのはな!24時で終わりじゃねぇんだよっ!!!!客を帰らせるって何だよ?おぉ?次やったらお前の指を引きちぎるぞコノヤロー!!」
あんまりである。
びっくりしているB面。
やばい。どう答える?頭の中がドラクエのコマンド選択画面になるわたくし。
とにかくまず謝ろう。そして事情を伝えよう!
パジャマ「すいません。今電気消そうとしたので・・・」
言い終わる前にボスが早口でカブせてきた!
ボス「このやろう今言い訳したな?(近づいて)何だ本当に指を引きちぎって欲しいのかおい手出せ!!」
や、やっちまった!「事情を説明」はボスから見たら「言い訳」だった!
怒りの炎に油を注してしまった!!バイキルトを敵にかけてしまったようなもんだ!ぎゃあ。
こちらにできるのは謝る事だけである。ええい、ままよ!
パジャマ「すいませんでした。次回は気をつけます。」
ボス「・・・わかればいいんだけどよ」
怒りが収まった!
テレレレテッテッテー
頭の中でドラクエのレベルアップ音が聞こえた。確かに聞いた。


ボス「ここで終わりですってお客を帰したら、そのお客は二度とウチに来なくなるぞ?そうしたら店がゴニョゴニョ・・・・・・でよ、あそこの店に○○っていう女がいるだろ?」
いけない!ボスの、ほとんどオチが下ネタかダジャレの強制トークの火蓋が切って落とされた!
この攻撃は下の者は大変である。
当パジャマパーティーを読んでくれている方にも1度は経験があるのではないでしょうか?
目上の者が、面白くない事を「どうだ?面白いだろ??ん?」と言わんばかりの態度で話してくるのだ!
そしてもちろんそれに気付かないばかりか、レパートリーが少ないために、同じ話がループされているのだ!
更に!更にわたくしパジャマとりやが言いたかったのはボス、僕らの職業は「お笑い」なのですよ!
女の人の話でカクカク腰振って「こりゃあおもしれー」と思う芸人がどこにおりますでしょうか!
芸人に「笑え!」なんてあんまりだっ!!
「ダジャレで心の底から笑う」なんて無理だっつーの!だっつーの!
すまないB面、俺のミスでボスのトークライブが始まるとは!
顔を見るとB面は
なんとゲラゲラ笑っていた!
天才だ!
プロだ!
アナーキーだ!
すげい!すげぇい!
これだ!これこそプロだ!
何というキレ者ぶりを発揮してくれるというのか!!
B面のおかげでボスは機嫌を持ち直し、ニッコリ笑顔である。
時刻は1時を回っていた。
終電なんぞとっくに過ぎちらかしている。
ボス「よ〜し!話はこのくらいでいいだろっ」
その切り出しを待っていたのは何より僕らです!
帰ろう!いや、終電は無いが、とにかくこの場を離れたかった。
二人とも愛想笑いに疲れて変なテンションになっているのだ。

「笑い話」なら聞いたことはあるが、

「笑わなければならない話」が

「ランダムに繰り返される」

というのはわたくし史上本邦初公開の上、言語道断であった。正に地獄!
地獄の1時間を過ごしたわたくしとB面の間に、深い友情が芽生えた瞬間である。
B面と「やっと帰れるんだ」と無言の会話が出来た!
ガンダムで言うところのニュータイプへの覚醒かと思えたほどだ。
知らない人ごめんなさいませ。

ボスがロッカーに行く。

いつもロッカーにジャケットを置いているのだ。


早く、早く着替えてくれ!


心の叫びである。


ロッカーが閉まる。うひょう!


ボスの左手には自分のカバン。ヴィトンのバッグだ。



右手にはギター。レスポールとかいうやつだ。

>ギター!?


ゴト。
椅子に座ったボスは、アンプをつなぎ、ギターを抱えて
ボス「よし、弾いてやるから聞いてろ。お前ら何が聞きたい?
我々が解放されたのは4時を回っていた。リアルジャイアンである。
ボスの話はまだあるのでまた書きますよぅ。